諏訪湖に張った氷が割れてせり上がる「御神渡り」を認定する八剱やつるぎ神社(長野県諏訪市)の宮坂清宮司(70)は3日、今季は御神渡りが現れない「明けの海」と宣言した。宣言は3季連続で、記録が残る1443年(嘉吉3年)以降は74回目、平成以降だけで24回目となった。

この日の諏訪市の最低気温は氷点下1・5度で、平年より5・1度高く、3月中旬並み。湖面は波が立っていた。

宮坂宮司は「季節のうつろいは確実に来ている。春が近づいてきた」と述べ、明けの海を宣言。「寒の朝 にごりをあげて寄り来たる 波に砕けし氷見るとは」との自作の歌を詠み、「自然の力は本当に不思議で偉大だ」と語った。21日に「注進奉告祭」を行い、神前に結果を伝える。

御神渡りは、湖面を覆った氷が膨張と収縮を繰り返し、亀裂が筋状にせり上がる自然現象。氷点下10度以下の日が3日以上続かないと現れないとされる。昨季は一度も全面結氷しなかったが、今季は1月13日、21日に全面結氷。3季ぶりの出現に期待も高まったが、27日には水温が3度を超え、出現は絶望的となっていた。

観察総代の男性(63)(諏訪市)は「高校生の頃、岡谷市内の校舎から自転車で氷上を走って下校した」と振り返り、「すっかり冬が変わってしまった」と湖面を見つめた。


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