「迷走」する大阪の独自解除要請基準 専門家の異論に知事、変節

 緊急事態宣言の解除要請を巡り、大阪府の吉村洋文知事の主導で策定された独自基準が暗礁に乗り上げている。新型コロナウイルス感染者の減少で8日に基準を満たしたが、医療体制の切迫や基準の緩さを懸念する専門家から要請の時期尚早論が噴出し、見送りを余儀なくされた。府庁内部からも「迷走している」と冷ややかな声が上がる。

 「解除を急いでいるわけではない。病床使用率が安定的に減少するのを確認した上で判断するのが適切だと思った」。9日の対策本部会議後、吉村氏は解除要請を見送った理由を記者団にこう説明した。

 会議では、メンバーを務める専門家らが医療現場の窮状を訴え、「宣言解除で感染が再拡大すれば医療は持たない」と懸念を表明。りんくう総合医療センターの倭(やまと)正也・感染症センター長は、基準の実効性に疑問をぶつけた。

 感染者数の減少を重視し、「宣言はだらだら続けるものではない」と早期の解除要請に前のめりだった吉村氏。専門家らの反論に押し切られる形で、従来の主張を一変させた。(以下有料版で、残り1077文字)


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毎日新聞 2021年2月11日 17時30分(最終更新 2月11日 22時24分)
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