3月17日、児童買春・ポルノ禁止法違反の疑いで逮捕されたワタナベマホト(本名・渡邉摩萌峡)氏(28)。草創期から活躍し、ユーチューバーの“帝王”と呼ばれた男の正体とは。(注・ワタナベ氏は4月2日に釈放。記事は「週刊文春」3月25日発売号より転載。日付、年齢、肩書きは当時のまま)

ワタナベ氏(ユーチューブより)

「俺はロリコンだから今の彼女では興奮しない」
 事件発覚のきっかけも、ユーチューブの動画だった。

「1月21日、ワタナベはアイドルグループ『欅坂46』元メンバー・今泉佑唯(22)との結婚と今泉の妊娠を発表。すると同日夜、別のユーチューバーが、ワタナベが15歳の女子高生に陰部などのわいせつ画像を送らせていたと生配信で暴露したのです」(芸能記者)

これを受け、翌日には所属事務所がワタナベの契約を解除。3月2日には引退表明に追い込まれた。

「ワタナベは女子高生に、『30枚で電話での言葉責め、50枚なら会える』と持ち掛け、1カ月の間、毎日のように裸の画像を『修行』と称して送らせていた。『俺はロリコンだから今の彼女では興奮しない』などと告白していたようです。実は発覚後、被害者とは示談交渉をしていたが、スマホに別の女性のわいせつ画像が見つかったことを警察は重く見て、逮捕に至った」(社会部記者)


夜中に不良連中と集まり……グレていた中学時代

 1992年、大分県に生まれたワタナベは幼少期に西東京市に転居。都営住宅で両親と妹と暮らしていた。

「親父さんは内装業の仕事をやっていて、バンド好き。マホトも小さい頃からバイオリンを習っていました。しかし中学時代にグレ始め、都営住宅内の公園で夜中に不良連中と集まり、タバコを吸ったりカップ麺を食べたりして、町内会で問題になっていた」(近隣住民)

 小中学校の同級生が語る。

「学校では目立つ方ではなく、部活にも入っていなかったはず。クラスの中心グループに嫌われないようへこへこしながら、自分の取り巻きをつくっていました」

甘いマスクと過激な動画でファンを獲得
 そんなワタナベは中学3年の時、友人との罰ゲームをきっかけに、動画サイト「ニコニコ動画」に投稿を開始。都立中野工業高校に進学するも2年で中退、動画配信にのめり込んでいく。

「2011年にユーチューブでの活動を開始すると、『セミやムカデを食べてみた』といった動画や、女子高生にゴキブリを50匹落とすドッキリなどの動画でブレイク。甘いマスクと過激な動画のギャップで、10代20代の女性を中心にファンを増やしていきました」(ユーチューブ関係者)

年収は9000万から1億円近く

 アパレルブランドやラッパーとしての音楽活動も開始し、15年にはチャンネル登録者数が100万人を突破。

「最盛期には運営するチャンネルの累計登録者数が500万人を超え、ヒカキンなどと並ぶトップユーチューバーの一人になった。企業とのタイアップ動画などの収入もあり、年収は9000万から1億円近くはあったでしょう。4年前には両親のために東京郊外に5000万円で家も購入し、仕事も辞めさせたそうです」(同前)

 しかし、動画には映らない“裏の顔”があったという。以前、共に活動していた山下威豆三氏が語る。

後輩におしっこを飲ませ……エスカレートする行為
「動画仲間が増えるにつれて、彼は豹変していきました。肩をパンチしたり熱湯をかけたりというのは軽い方で、私もプロレス技をかけられて気絶したこともある。後輩ユーチューバーにおしっこを飲ませ、笑いながらスマホで撮影していたこともありました」

 エスカレートしたのは暴力だけではなかった。

「高校の頃から、ファンの子を『喰った』と自慢するのは日常茶飯事。5、6年前には、付き合っていた彼女の両手を紐で縛り、天井から吊るした写真を周囲に見せていたことも。裸で写った女性の背中には、ミミズばれが沢山出来ていて衝撃でした」(同前)

 19年6月には、酒に酔って当時交際していた女性の顔を踏みつけるなどして傷害容疑で逮捕。20年初頭に出会った今泉は、そんな過去も許した上で、将来を誓い合ったのだが――。

「事件後、チャンネルの動画は削除され、ユーチューブからの収入はなくなった。傷害事件の被害者への示談金や家のローンの支払いで、借金も2000万ほどある。引退後は他のユーチューバーに裏方の仕事をまわしてもらい、月収60〜70万円は稼いでいたようなので、当面はそれで生活するのでしょう」(ワタナベの知人)

週刊文春 2021年4月3日 21時0分
https://bunshun.jp/articles/-/44565?page=1

写真
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