※まいどなニュース
2023.04.28(Fri)

2023年1月14日、奈良公園の子鹿が虹の橋を渡りました。名前はこつぶ、生後5カ月でした。人が触ったために母鹿が育てることを放棄。母乳をもらえなくなり、小さくやせたままでした。生きるために他の雌鹿から母乳をもらい、寝床も自分で整え命をつないでいました。こつぶちゃんをずっと見守った川地祥介さんのTwitterアカウント(@ncbutwDsL0UC6np)は話題になり、そこから「こつぶちゃん物語~5か月しか生きることができなかった子鹿~」という写真絵本が生まれました。「奈良公園の鹿は動物園のふれあい広場ではありません。子鹿には絶対に触らないで」と伝えるために。

2月9日の当サイト『「奈良公園の子鹿には絶対にさわらないで!」なぜ?5カ月しか生きられなかったこつぶちゃんが伝えようとしたこと』記事内では、ファインダー越しに感じた川地さんの悲しみや憤りを伝えました。「こつぶちゃん物語」は文章を児童書作家の中村文人さんが担当。写真は川地さんが撮影したものから選びました。2人は奈良の鹿愛護会の会員です。中村さんに聞きました。

「こつぶちゃんは一人ぼっちでした」
ーー写真絵本の出版に至る経緯を

「川地さんとは奈良公園のゴミを拾う「奈良公園ゴミゼロウォーク」(主宰・奈良公園ゴミゼロプロジェクト)でいっしょに活動している間柄です。Twitterで相互フォローしていますので、こつぶちゃんのツイートをウォッチしていました。観光客が子鹿を触る行為が多いので何とかしたいと思い、CATパブリッシング代表として川地さんに1月に出版をご提案しました」

「川地さんはご自身が前に出ることを固辞されましたので、私が文章を書き、川地さんの写真を使用することで了解を得ました。表紙には文・写真を担当した者の表記をあえて入れていません。奥付に表記しています。出版した際にお支払いする印税を川地さんは辞退されましたので、売上の一部として一般財団法人奈良の鹿愛護会に寄付することになっています。私はCATパブリッシングの代表のため印税はありません」

ーー写真絵本になったこつぶちゃんについてあらためて思うことを

「こつぶちゃんは一人ぼっちでした。お母さんに甘えることも、おっぱいももらうことができず、そして1月の寒さの中、天に召されたことを多くの人に知ってほしいと思います。観光客がこつぶちゃんに触ってしまったことが遠因ではないかとも言われています。こんな悲しいできごとが二度と起こらないようにしたいと心から願っています。子鹿が人に触られることで、母鹿が育児放棄をするということはこれまでもたびたびありました。奈良の鹿愛護会は子鹿が増えるシーズンには注意喚起をしていますが、子鹿に触ってはいけないということを知らない人は多く、外国人観光客は全然知りません。ゴールデンウイーク明けから子鹿の出産が始まるため、着想から3カ月で刊行しました」

(1)ゴミのポイ捨てをしない
コンビニおにぎりの包み、キャンディの包み(個包装の包み)、お菓子の袋、飲み物容器やストローは食べ物のにおいが付いているため鹿が食べてしまいます。胃にとどまって芝や木の実を食べても栄養が吸収されず弱り死ぬこともあります
(2)子鹿に触らない

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https://maidonanews.jp/article/14895440