昨年1年間に大阪府警が把握した刑法犯は8万148件で、前年から16・5%増え、2年連続で前年を上回った。人口10万人当たりの件数は907件で、全国ワーストだった。府警が8日、発表した。担当者は「新型コロナによる行動制限が緩和され、人の動きが活発になったことが増加の一因ではないか」と分析している。

 府警によると、件数自体は2001年(32万7262件)をピークに減少傾向にある。昨年は、前年から1万1341件増えたものの、コロナ禍前の19年(8万4672件)よりも4524件少なかった。コロナ禍の時よりも自転車盗や万引きなどが増えたという。

 昨年7月施行の改正刑法で性犯罪の規定が見直された「不同意性交罪」は288件、「不同意わいせつ罪」は796件だった。同意のない性暴力や、これまで条例違反などで対応してきた痴漢にこれらの罪が適用されるようになり、それぞれ3割前後増加した。

 特殊詐欺は前年比28・3%増の2649件で、統計の残る11年以降過去最多だった。被害額は約36億円で、還付金詐欺(約9億6千万円)や架空料金請求詐欺(約10億1千万円)が多数を占めた。担当者は「被害者に直接ATMを操作させる手口が主流になっているのではないか」と話す。(甲斐江里子)

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