そばやせんべい、おみくじなど昭和にはやったレトロな自動販売機の人気が「復活の兆し」をみせている。
その自販機を目当てに遠方からわざわざ訪れる人もいるという。
今、なぜブームが再燃しているのだろうか。

神奈川県相模原市、道路わきにずらりと並んだ自動販売機。
ここには、トーストが焼けるものや、ハンバーガーが出てくるタイプ、さらにはその場で作れるラーメンやうどん、そばの自動販売機もある。

今ではほとんど見かけなくなった、昭和の香り漂う自動販売機が25台ほど設置されていた。
実際にうどんを買ってみると―

記者「できあがりまでの数字が表示されていますが25秒からスタートしました。
静かに機械の中でなにかが行われています」「いまできあがりました。
器が置かれていますね。すごいプラスチックの器にてんぷらうどんが入っています」

お客さんの中には、わざわざレトロ自販機を求めて県外から来た人もいた。
「子供の頃はお小遣いが少なくてなかなか食べたくても食べられなかったというのがありますね(愛知県から来た人)」「雰囲気を楽しむような感じなんですよね、こういうのって(40代会社員)」

この自動販売機、実は隣にある中古タイヤ店が設置したもの。
元々はタイヤ交換に来たお客さんに待ち時間に楽しんでもらいたいという思いから始まったものだったという。
今では、レトロ感が懐かしさを呼び、自動販売機目当てに足を運ぶ人も増えているという。

懐かしい自販機は岩手県滝沢市にもあった。
かつて喫茶店などにおいてあった「ルーレット式おみくじ器」。
正式名称は、卓上小型自動販売機、これも自動販売機だ。

自分の星座に100円を入れて、レバーを引くとおみくじが出てくる。
それと当時に上のルーレットが回り、出た数字とおみくじを照らし合わせ楽しむものだ。
一世を風靡(ふうび)したこのおみくじ器も時代の波にのまれ15年ほど前には新規の注文はほぼ0となった。

しかし、4年ほど前から個人からの問い合わせが増え、それ以降は、販売台数は右肩上がりに。
今ではひと月に200台ほど売れているという。
また、2015年からは特産品として、滝沢市のふるさと納税の返礼品にも選ばれている。

再び話題となっているレトロ自販機。
その一方で、たばこや乗車券などを含めたすべての自動販売機の売り上げは年々下がっていて、この10年間で3割以上落ち込んでいるのが現状だ。

この状況を打破しようと、様々な取り組みが行われている。
大手飲料水メーカーでは、女性向けの自動販売機を開発。
鏡がついていたり、ストロー、コースターを備えている。

また、体を冷やしたくない女性などへの販売を狙って「常温」の商品も登場している。
女性が多く通る場所、例えば、女性クリニックの近くや、女子大をターゲットに設置を進めているという。

レトロなものから最近のものまで、ニーズに合わせて自販機も変わりつつあるようだ。

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http://www.news24.jp/articles/2017/05/30/07362897.html