兵庫県伊丹市の小学5年の男児(10)が蛇にかまれて一時、意識不明になった。かんだのはヤマカガシ。実は長い間、毒蛇ではないと思われていた。他の蛇と見分けるのも難しいという。どんな蛇なのか。

 「蛇を飼いたい」。今回の件は、男児の素朴な思いが発端だったという。兵庫県警伊丹署が関係者から聞き取った経緯はこうだ。

 男児は7月29日、同級生らと計3人で、自転車とキックボードで市に隣接する同県宝塚市の山中に向かった。同級生が以前、蛇を見たことがあった場所だったという。

 午前10時半ごろ、寺の参道でヤマカガシを発見。捕まえる際、男児は左手の人さし指をかまれた。男児らは蛇をリュックサックに入れ、南へ約2キロ先にある伊丹市内の公園に移動。そこで男児は指の出血を洗い流した。午後1時ごろ、同級生の家で蛇をリュックサックから取り出そうとしたところ、今度は右手首をかまれた。

 男児は午後6時40分ごろに帰宅したが出血が止まらず、頭痛も訴えたため、母親が約1時間後に119番通報。病院に搬送され、血清を打つなどの治療を受けた。一時意識不明に陥ったが、その後、意識が回復した。

 厚生労働省によると、ヤマカガシはかつて、毒蛇とは考えられていなかった。毒牙(どくが)が口の奥の方にあり、指を入れるなどして深くかまれなければ、毒が注入されにくいからだ。1972年に死亡例が確認されて初めて毒蛇と認識された。73〜2013年に、かまれたという報告は34例。これまで少なくとも4人が亡くなっている。

 00年に毒を中和する血清がで…

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つぶらな瞳
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