大阪屈指の規模を誇る梅田の地下街にある有名パン販売チェーン店「神戸屋」で8月上旬、パート従業員の女性(28)が、同じパート従業員で後輩だった男(22)にパン切り包丁で切りつけられる事件が発生した。
女性の悲鳴を聞いて駆けつけた通行人に制止され、大阪府警曽根崎署に現行犯逮捕された男は「女性に殴られ、頭が真っ白になった」と供述した。
巨大地下街の一角を流血の修羅場に変えた事件。職場の先輩、後輩の間に何が起きたのか。

■ シャッターの向こう側で

事件が起きたのは8月4日正午過ぎ。
現場となった阪神百貨店梅田本店近くのパン販売店「神戸屋阪神梅田駅店」は、購入客らでにぎわうお昼時にもかかわらず、店のシャッターが閉まっていた。

商談に向かうため、店の前の地下街を歩いていた京都市伏見区に住む会社員の男性Aさん(55)は、いつも営業しているはずの店が閉まっていたため、「変だな」と感じた。
そのとき、誰もいないと思っていたシャッターの向こう側から女性の悲鳴が聞こえた。
耳を澄ませると、悲鳴は立て続けに聞こえたという。

「女性が監禁されているのかもしれない」
そう思い、シャッター横にある通用口の扉を開けると、店の奥で男が女性に馬乗りになっていた。

刃物は確認できなかったが、女性の左肩には血痕も見えた。「ただ事ではない」。
周囲の人に女性の救出を手助けしてもらおうと、店のシャッターを拳で5回ほどたたいて「誰か来てください!」と叫んだ。

出勤途中だった大阪府吹田市の映像制作業の男性Bさん(50)も女性の悲鳴のような声を聞いた。
「最初はネコの鳴き声かと思った」が、Aさんが扉を開けて「やめろ!」と叫んでいるのを見て、何事かと店内をのぞきこんだ。

人がすれ違えないほど狭い店内は、床一面が血だらけだった。
そこにうずくまっておびえる女性と、青ざめた表情で立ちつくす男。
Bさんは男を女性から離し、扉の近くまで引っ張っていくと、Aさんが男を床に押さえつけ、警察官の到着を待った。

その間、男は全く抵抗せず、自責の念にかられたためか、自分の額を何度も何度も床に打ち付けていた。
別の通行人の女性の110番で、現場に駆けつけた曽根崎署員は、殺人未遂容疑で男を現行犯逮捕した。

■ 先輩の注意が口論に発展

現場はJRや地下鉄、私鉄の各駅に近く、人通りが多い梅田の巨大地下街。
大勢の警察官や救急隊員が突然駆けつけたため、周辺は一時騒然となった。

曽根崎署の調べに対し、男は「女性に何度も殴られて頭が真っ白になり、カッとなった。歯止めがきかなくなった」と供述。
当初、女性に対する殺意も認めていたとされる。

女性は刃渡り約25センチのパン切り包丁で後頭部を切りつけられたものの、幸い全治10日の軽傷で済んだ。
同署の事情聴取に女性は「男の接客対応を注意するため、店に行った。男の頬を複数回平手打ちした」と話した。

同署によると、女性はこの日、現場から東に約300メートル離れた系列の神戸屋東梅田駅店で正午まで働いていた。
一方、男は正午から阪神梅田駅店で一人勤務だった。

女性は勤務が終わった後に阪神梅田駅店を訪れ、その場で男と口論に発展。
当初、男と勤務を交代して帰り支度をしていた別の同僚も現場にいたが、「店員同士のけんかを客に見られてはまずい」と店のシャッターを閉めて立ち去った。
女性の平手打ちにキレた男がパン切り包丁に手を伸ばしたとき、店内はいわば密室≠フ状態だった。

捜査関係者は「通行人の男性らが制止していなかったら、もっと大ごとになっていたかもしれない。
冷静に止められて、男もわれに返ったのでは」と話した。

写真:店内で起こった殺人未遂事件の後、休業した「神戸屋阪神梅田駅店」=大阪市北区
http://www.sankei.com/images/news/170828/wst1708280004-p1.jpg

http://www.sankei.com/west/news/170828/wst1708280004-n1.html

★1:2017/08/28(月) 13:10:53.48
http://asahi.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1503971945/

※続きます