大川小訴訟、裁判官が現地視察=複数の避難経路確認−仙台高裁


東日本大震災の津波で犠牲となった宮城県石巻市立大川小学校の児童23人の遺族が、
市と県に損害賠償を求めた訴訟の控訴審で、仙台高裁の小川浩裁判長ら裁判官3人が4日、
遺族らと現地の校舎周辺を視察した。
 
小川裁判長らは、児童や教職員が避難のため実際に向かったとされる小高い交差点を経由して、
児童が植樹活動を行っていた山に登り、大川小が事前に準備すべきだった避難場所として適切かを確認した。
校庭では、遺族側が「避難すれば助かった」と主張する裏山の避難経路を目視で確認した。
 
三男の雄樹君=当時(12)=を亡くした佐藤和隆さん(50)は
「地震とともにいち早く移動して登るなら(植樹を行っていた山の)森、時間をかけないなら裏山。
そこを裁判官の方々にしっかり見てもらえた」と話した。
 
大川小では児童74人と教職員10人が犠牲になり、昨年10月の一審仙台地裁判決は、
津波が襲来した約7分前までには予測できたと認定。適切な場所に避難させなかったとして
14億円余りの支払いを市と県に命じ、原告、被告双方が控訴した。
仙台地裁の裁判官も2015年に校舎周辺を視察した。
(2017/10/04-18:48)

時事ドットコム
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017100400997
大川小学校の児童が植樹活動を行っていた山に登り、避難場所として適切か確認する裁判官ら
=4日午後、宮城県石巻市
https://www.jiji.com/news/kiji_photos/0171004at46_p.jpg