ふるさと納税の推移
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納税者が応援したい自治体に寄付できる「ふるさと納税」の総額が急増している。利用者が受けられる控除の枠が広がったのが大きな要因だが、お金が都市部から地方へ流れる動きが加速。大幅に税収を減らした都市部の自治体は不満を示す一方、歯止めをかけようと対策を打ち始めた。

ふるさと納税は地方の活性化が主な目的。控除の枠内なら一部を除いて所得税、住民税が還付される。各自治体は競うように特産品などの返礼品を用意し、PRに注力している。

二〇一五年度税制改正で、全額控除される枠が約二倍に拡大。これに伴い、総務省によると一六年度の寄付額は前年度比一・七倍増の計二千八百億円超と、過去最高になった。

半面、寄付者の地元自治体は住民税の減収に直面する。前年の寄付額に応じて決まる税収減の総額は、一七年度は千七百億円を突破。うち約四分の一の四百六十六億円を、東京都内の自治体が占める。約十四億円減った杉並区の田中良区長は「納税者が税金で特産品を買い続ける制度だ」と疑問視する。

世田谷区は、子育て支援などの区の基金を受け皿に地元へのふるさと納税を区民に呼び掛ける。文京区はふるさと納税を財源に、経済的に苦しい子育て世帯に食料を無料で宅配する事業を始めるなど使途を明示して住民にふるさと納税を求める動きが広がっている。

制度に詳しい保田(ほうだ)隆明・神戸大大学院准教授は「使い道が意義深いと思ってもらえれば、都市部でもお金を集められる。使い道をわかりやすくすることが必要」と話す。 (坂田奈央)

<ふるさと納税> 応援したい都道府県や市区町村に寄付すると、自己負担の2000円を超える分が、住んでいる自治体の個人住民税と国の所得税から減額される仕組み。寄付を多く集めようとする自治体間の返礼品競争の過熱が問題となり、総務省は、換金しやすい商品券や、資産性の高い家電や家具などは自粛するよう要請している。

配信2017年10月28日 朝刊
東京新聞
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