日産自動車が車の出荷前の検査で不正を繰り返していた問題で、長年、検査業務を担当した日産の現役の社員がNHKのインタビューに応じ、「人を減らしながら生産性を向上させるという経営側の要請に応えるために、現場なりの“創意工夫”をしてしまったのではないか」と述べ、不正の背景に合理化へのプレッシャーがあった可能性を指摘しました。

NHKのインタビューに応じたのは、日産の国内の工場に勤務する現役の社員で、20年以上にわたって出荷前の完成検査を担当していたということです。

日産では、国内に6つあるすべての工場で資格のない従業員が検査を行い、検査を記録する書類には実際には検査を行っていない従業員の印鑑が押されていたことがわかっています。

この社員は「みずからが不正に関わったことはない」としたうえで、「車に不具合が出た場合に備えて、資格のある検査員の印鑑と、実際に検査でその印鑑を使っている人を照合できる対照表があった」と話しました。この対照表は、不正を裏付ける証拠として、国土交通省も把握しているということです。

またこの社員によりますと、現在の会長のゴーン氏が経営を率いるようになった2000年代以降、各工場で合理化が進められ、検査員の数がおよそ6割に減ったうえ、1台の検査を6つ程度の工程に分けるなど業務が細分化され、最近は、期間従業員も検査部門で働くようになっていたということです。

こうした状況を踏まえ、社員は「人を減らしながら生産性を向上しなければならないという経営側からの要請が現場に来て、本来、不正があってはならない検査の過程で現場なりの“創意工夫”をしてしまったのではないか」と述べ、不正の背景に経営層が進めてきた効率化や合理化へのプレッシャーがあった可能性を指摘しました。

そのうえで社員は「国土交通省も自動車メーカーに完成検査を丸投げして書類上の審査だけで認めていたという問題があったのではないか」と述べ、現在は各メーカーが自由に決めることができる検査員の認定基準や検査方法について、国が統一的な基準を示すべきだと指摘しました。

配信11月8日 19時04分
NHK NEWS WEB
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171108/k10011216101000.html?utm_int=news_contents_news-genre-new_003

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