アメリカ本土に届くICBMの開発進める北朝鮮
11月29日 5時51分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171129/k10011239121000.html

北朝鮮は、射程がアメリカ本土に届く1万キロに達するICBM=大陸間弾道ミサイルの開発を進めてきました。




去年2月に北西部トンチャンリ(東倉里)の「ソヘ(西海)衛星発射場」から発射された事実上の長距離弾道ミサイル、「テポドン2号」の改良型は、固定式の発射台を使用するタイプで液体燃料が使われています。これに対して北朝鮮が開発を進めているICBMは、移動式の発射台を使用し、液体燃料とともに固体燃料の使用も目指しています。

首都ピョンヤン(平壌)で行われた軍事パレードでは、大型の軍用車両に乗せられたICBMが過去4回、公開されています。このうち2012年4月と2013年7月に登場した、片側に8つの車輪がある大型のトレーラーに搭載されたICBMは、「KN08」と呼ばれ、弾頭がとがっています。

さらに、おととし10月に登場した、弾頭が丸みを帯びたICBMは、KN08の改良型と見られていて、韓国メディアが「アメリカ軍と韓国軍が暫定的に
『KN14』と名付けた」と伝えていました。

そして、ことし4月に登場した、片側に8つの車輪がある大型のトレーラーに搭載されたミサイルは、これまでのICBMよりも長く新型とみられています。

北朝鮮は、去年4月にICBMの、また9月に事実上の長距離弾道ミサイルの、それぞれ新しいエンジンの燃焼実験を地上で行ったのに加え、ことし3月にも新型の大出力エンジンの燃焼実験を地上で行って成功したと発表していました。

キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長は、ことし元日の演説でICBMの発射実験の準備が「最終段階に入った」と述べ、発射実験を強行する可能性を示唆。

そして7月4日には、ピョンアン(平安)北道クソン(亀城)付近から、日本海に向けて発射した弾道ミサイル1発について、ICBM「火星14型」の初めての発射実験に成功したと発表したのに続き、7月28日にもチャガン(慈江)道ムピョンリ(舞坪里)付近から、同じ「火星14型」を発射して2回目の発射実験に成功したと発表しました。

このうち2回目の発射では、高度が前回を900キロ余り上回って3724.9キロに達したとし、「アメリカ本土全域が射程圏内にあることがはっきりした」と主張していました。