http://www.asahi.com/articles/ASL1M7F7CL1MPLFA00H.html

 冬本番。冷え込む夜にはお鍋という方も多いのではないでしょうか。水炊きやしゃぶしゃぶなどで使うポン酢は、最近ではちょっと高いものも売れています。メーカーは1年を通して売れるようにと、鍋以外の料理にも使えるように工夫を重ねています。

 大丸梅田店(大阪市北区)の地下2階の食品売り場にはお鍋に使うポン酢などの調味料をそろえた特設コーナーがある。販売のピークは正月を控えた12月だが、2月まではよく売れるという。

 和歌山県北山村の特産かんきつ類「ジャバラ」で風味をつけたものや、無添加のみそとユズを合わせた「味噌(みそ)ぽんず」など、1本500円ほどからの個性的な商品の人気が高まっている。売り場を担当する松林久美子さんは「素材にこだわる人が増えてきた」と話す。最近は、外国人観光客もよく買っているという。

 水炊きが根付く関西では、煮汁で味をつけるお鍋が多い関東よりもポン酢の出番が多い。味ぽんでポン酢を広めたミツカン(愛知県半田市)によると、近畿地方のポン酢の販売額は約50億円で、人口の多い首都圏(1都4県)とほぼ同じ額だ。このためミツカンは「市場が大きく、重要な販売地域」と位置づける。

 ポン酢の2016年の国内販売額は約220億円で横ばいが続く。最近では、豆乳やキムチなど多彩な鍋つゆが発売された影響もある。その中で、タマネギを入れたり、すりゴマを入れたりと一ひねりしたタイプは売り上げが2倍ほどに伸びている。このため、各メーカーは鍋以外での使い道をさらに広げようと知恵を絞る。

 キッコーマンは昨年、カルパッチョのソースにもなる「しぼりたて生ぽんず」を発売した。果汁のさっぱり感を生かし、サラダのドレッシングにも使える。ミツカンの「減塩だしぽん酢」は、おひたしや焼き魚に合うといい、しょうゆ代わりに使ってもらうのが狙いだ。(神山純一)

馬路村農協の「ぽん酢しょうゆ ゆずの村」
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旭食品の「旭ポンズ」
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ミツカンの「たまねぎぽん」
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キッコーマンの「いつでも新鮮 旨みまろやか だし入りぽんず」
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