プレミアムフライデーで午後3時過ぎからアルコールが販売されたソフトバンク本社の社員食堂でビール片手に談笑する社員ら=2017年2月24日、東京都港区東新橋
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「プレミアムフライデー」の導入からもうすぐ丸1年が経つ。プレミアムフライデーは月末金曜日に仕事を早めに切り上げ、消費喚起や働き方改革を狙った取り組みだが、この1年での成果は限定的だったようだ。(SankeiBiz 久住梨子)

 市場調査会社のインテージが2018年2月、20-50代の男女有職者3251名を対象に実施した調査では、プレミアムフライデーの認知率は97.0%と多くのビジネスパーソンに知られていることが分かった。

 一方、この1年のプレミアムフライデー実施日に1回以上早帰りをした人は8.3%。9割以上の人は1回も早帰りできなかったことが明らかになった。開始当初の調査では、プレミアムフライデー初回に「早く帰った」と回答した人は3.7%だったため、早帰りする人は増加したものの低迷の域を脱していない。

 ただ、消費喚起には貢献したようだ。実際にプレミアムフライデーで早帰りした人の過ごし方は、トップ3が「自宅で過ごした」(46.0%)、次いで「食事に行った」(40.4%)、「買い物に行った」(31.3%)となっており、プレミアムフライデー導入の狙いの一つだった消費促進に一定の効果があったと推察される。

 では、もう一つの狙いである働き方改革には効果があったのか。ソフトウェア開発会社のサイボウズが2018年1月、中間管理職の20-50代男女500名に調査したところ、全体の4割が「労働時間を制限する働き方改革」が始まったと答えた。企業の働き方改革は進んでいるようだ。

 しかし、そのうち70%は「会社・部署の業務効率は上がっていない」と回答。さらに、「プレミアムフライデーやノー残業デーの実施日に早く帰るために、他の日に残業をしたことがある」と答えた人は36%に上った。業務効率が上がらない中で労働時間削減のしわ寄せが来て、働き方改革のためのプレミアムフライデーが本末転倒な結果をまねいている企業も少なくない実態が浮き彫りになった。

2018.2.20 17:10
SankeiBiz
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