一灯式信号機が撤去され、交差点内が赤色に舗装された(徳島市新蔵町で)
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 黄色と赤色のランプ点滅で車に交通規制を指示する「一灯式信号機」について、徳島県警は新年度から、撤去を始める。

 ルールを理解していないドライバーによって事故の原因になるケースが多く、試験的に交通標識に置き換えた交差点では、事故が減少したという。

 一灯式信号機は、ランプが点滅し、黄色側が注意しながら、赤色側が一時停止した後に、それぞれ交差点に進入するよう決められている。県内では住宅街など夜間の交通量が少ない場所を中心に105基設置されている。だが、一時停止しないドライバーが多く、全国で事故が多発しているという。

 警察庁が2015年12月に「代替が可能な場合は、信号機の撤去を検討する」と都道府県警に通達したことを受け、県警でも撤去を検討してきた。

 県警は効果を確かめるために、17年1月、徳島市新蔵町の「徳島保健所前交差点」にある一灯式信号機を撤去。代わりに、赤色が点滅していた方向の交差点入り口に夜間になると発光する「一時停止の標識」を設置した。また、交差点内を赤色で舗装して、路面に書かれた「止まれ」の文字を拡大した。約1年かけて調べた結果、撤去前の1年間で6件だった物損事故は3件に減少。人身事故は0件だった。

 孫との散歩で同交差点近くをよく通るという主婦(70)は「これまで車同士が交差点で衝突しそうな時や、スピードを出した車に歩行者がはねられそうな時があった。運転手も夜間発光の標識の方がわかりやすいのでは」と話していた。

 県警は道路を管理する市町村や、地元自治会らと協議を進め、不要な一灯式信号機を撤去していく。交通規制課の吉枝正隆次長は「維持管理費用の面からも不要な信号機は撤去すべきと考える。効果的な代替策を関係者と話し合い、事故の防止にもつなげたい」と話した。(行田航)

2018年03月06日 11時59分
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