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3月8日は「エスカレーターの日」。1914年、日本初のエスカレーターが東京で試験運転された日だ。
地下鉄で通勤する福岡市の20代女性から「エスカレーターがいつも混雑する。利用者は必ず右側1列を空けるが、
両側に並べばいいのでは」と、素朴な疑問が特命取材班に寄せられた。マナーとして定着している「片側空け」。
実際はどうなの?

通勤客でごった返す福岡市営地下鉄天神南駅。エスカレーターを見ると、多くの人は左側に並び、急ぐ人が
空いた右側を駆け上がっていく。見慣れた光景だが、傍らには看板があった。「手すりにつかまり、2列で乗りましょう」

同駅によると、片側空けは望ましい利用方法ではないという。「安全のためには2列で乗るのがいい」と江利稔駅長は話す。

■「設計上、歩くことを想定していない」

理由がある。同駅では2016年、エスカレーターに乗っていた50代女性が後ろから走ってきた男とぶつかって
転倒する事故が起きた。市交通局によると、こうした転倒・落下事故は11年度以降、市営地下鉄で年間28〜48件に上る。
JR九州や西日本鉄道も10年ごろから、歩行禁止を呼び掛けている。

日本エレベーター協会(東京)によると、通常のエスカレーターは段差20〜23センチ、幅1メートル程度。
これに対し、公共施設の階段は建築基準法で段差18センチ以下、幅1・4メートル以上と定められている。
「設計上、エスカレーターは歩くことを想定していない」と言う。歩くことは危険なのだ。

■「片側空け」の由来は?

片側空けは百貨店などでもよく見掛ける。どんな由来があるのだろう。「国際化が進む過程で、欧米式マナーを
学ぶべきだという価値観があって広まった」。エスカレーター文化を研究する江戸川大学の斗鬼正一教授が解説する。

■大阪万博での呼び掛けが始まり

斗鬼教授によると、片側空けは1944年ごろのロンドンの駅で推奨され、欧米各国に広まった。
当時はマナーというより、その方が輸送効率が高まると考えられていた。日本では70年の大阪万博を控え、
阪急電鉄が梅田駅構内で呼び掛けたのが始まり。折しも敗戦から立ち直り、経済大国に躍進していく時代。
「外国人に恥ずかしくないマナーを」という意識が普及を後押ししたという。

■東京は右空け、関西は左空け

90年ごろには、東京都心の地下鉄の駅でも定着。当時の新聞は「エスカレーター『新秩序』」と紹介し、やがて全国に普及した。
東京の右空けに対し、関西は左空けというのが特徴だ。斗鬼教授は「急ぐ人を優先し、1列空けるという効率重視の価値観が
時代にマッチした」と分析する。

いったんマナーと思い込んでしまうと、習慣を変えるのは難しい。群衆行動に詳しい京都大学の木下冨雄名誉教授は
「どれほど安全性が向上するかなどの根拠を示さないと、理解を得にくいのではないか」と話した。


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1が建った時刻:2018/03/09(金) 14:03:33.96