JMU、新型掃海艦「ひらど」引き渡し FRP活用
2018/3/16 14:20
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28211750W8A310C1XA0000/

 ジャパンマリンユナイテッド(JMU)は16日、新造した新型掃海艦「ひらど」を海上自衛隊に引き渡した。木造が主流だった従来艦と異なり、繊維強化プラスチック(FRP)を使用し、長寿命化・燃費向上を実現した「あわじ型」の2番艦。海上防衛やシーレーン(海上交通路)確保の重みが増すなか、掃海能力を高めるため最新技術を詰め込んだ。

 ひらどの全長は67メートル。速力は最大14ノット。世界最大級のFRP船で、JMUが約3年かけ建造した。
 機雷には船体の金属が持つ磁気に反応して爆発するタイプのものがあるため、従来の掃海用の艦船は木造が多かった。海自はより軽量で耐久性が高いFRP化を進めていた。木造では20年弱だった寿命は、30年強に延びるという。
 遠隔操作で機雷に近づき、自爆により除去する「自走式弾薬」と呼ばれる装備を搭載。水深が深い場所に設置された機雷にも対応できる。
 ひらどはJMUが2014年度に186億円で受注。大型のFRP船を建造できる能力が評価され、今月には同型の3番艦も受注した。
 小野寺五典防衛相は16日、「わが国の周辺海域やシーレーンの安全確保につなげ、インド太平洋地域の安全に貢献することを期待する」と訓示した。