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4月9日 20時16分
がん患者の遺伝情報を元に最適な治療薬などを選ぶため、100以上の遺伝子を網羅的に調べる「遺伝子パネル検査」という先進医療が国立がん研究センターで始まりました。

遺伝子パネル検査は患者の遺伝情報を元に治療法を選択する「がんゲノム医療」の新しい検査で、がんに関わる遺伝子の変異を一度に網羅的に調べ、最適な治療薬などを選びます。

東京・築地にある国立がん研究センター中央病院は、9日から全国に先駆けて先進医療として、がんの組織の114種類の遺伝子を一度に解析する検査を始めました。

対象となるのは有効な治療法がなくなるなどしたがん患者で、病院が200人余りを対象に去年までに行った臨床研究では、およそ10%の患者に対して効果が期待できる可能性がある薬を選び、新たに投与を開始できたということです。

一方、検査の結果がでても対応する薬がないなど治療に結びつかないことがあるほか、健康保険が適用されないため、およそ50万円の費用がかかるということで、病院では医師とよく相談して検討してほしいとしています。

国立がん研究センター中央病院の山本昇先端医療科長は「この検査は世界中で普及しつつあり、日本も遅れないように態勢を整える必要がある」と話しています。