広島県福山市の中学校で、2年生の男子生徒が同じ学年の生徒から両手首の骨折などの大けがをさせられたにもかかわらず、学校側はおよそ1か月間、市の教育委員会に報告していなかったことがわかりました。教育委員会は今回のケースをいじめに当たるとし、学校への指導を徹底するとしています。

福山市教育委員会によりますと、先月16日、市内の公立中学校の2年生の男子生徒が休み時間に同じ学年の生徒に追いかけられて壁に向かって押されたあと床に倒れ込むなどして両手首や左腕の骨を折る大けがをしていたことがわかりました。

学校は市の教育委員会に速やかに報告する必要がありましたが、今月15日までおよそ1か月間、教育委員会に報告しなかったうえ、生徒への聞き取りで、いじめの可能性があると認識したにもかかわらず、これについても伝えていませんでした。

男子生徒の保護者が今月17日に市の教育委員会を訪れて事情を説明したため、事態が明らかになったということです。

教育委員会は今回のケースがいじめに当たると判断し、「学校の対応に憤りを覚えるとともに、適切に対応するよう指導を徹底したい」としています。

また中学校では21日、全校集会を開いて今回の事態を説明するとともに、すべての生徒を対象にしたアンケートを行うことにしています。

この中学校の校長は「報告を失念していた。生徒や保護者に心配をおかけし申し訳ございません」と話しています。

5月20日 20時06分
NHK NEWS WEB
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180520/k10011446241000.html