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町の27%浸水 岡山 倉敷 真備町「川に挟まれ 水抜けにくい」
2018年7月7日 24時40分豪雨 被害

広い範囲が浸水している岡山県倉敷市真備町の現場の映像を分析した、河川の災害に詳しい東京理科大学の二瓶泰雄教授は、浸水した地域は、南北に流れる「高梁川」と東西に流れる「小田川」の2つの川に挟まれた周辺より低い場所だと指摘しました。さらに、浸水している地域では、2つの川の堤防に囲まれているため、一度浸水すると水が抜けにくく、長時間浸水が続いているうえに浸水の深さも深くなっていると分析しています。
国土交通省は小田川の堤防がおよそ100メートルにわたり決壊したと発表していますが、映像を見た二瓶教授によりますと、小田川に流れ込む支流でも堤防が決壊して水が流れ出していることが確認でき、複数の場所で堤防が決壊したとみられると指摘しています。

一方、二瓶教授は、広島県坂町で起きた浸水では土砂や流木が大きく関係したとみています。二瓶教授は町内を流れる川に上流から流れてきた大量の土砂がたまったり、流木などが橋でせき止められたりして、下流に水が流れなくなり、周辺の住宅地に流れ出したとみられるということです。

二瓶教授は、こうした浸水による被害は他の場所でも十分に起こりえるとして、「雨の降り方や河川の水位に注意し、いつもと違うと感じたら、まずは避難してほしい。避難所が遠い場合や、増水した川を渡らないと避難所にいけない場合には、周辺より少しでも高い場所に移動するなど、引き続き安全の確保に努めてほしい」と話していました。

真備町全体の27%が浸水

国土交通省岡山河川事務所によりますと、倉敷市真備町で川から水があふれるなどして浸水した面積をドローンを使って7日午後、上空から調べた結果、浸水面積はおよそ1200ヘクタール、1200万平方メートルに及ぶと推定されるということです。

これは真備町の全体の面積の27%に当たり、東京ドームに換算するとおよそ256個分の面積になります。

浸水の主な原因は、記録的豪雨によって近くを流れる小田川の堤防が2か所で決壊したため、大量の水があふれ出したということです。

国土交通省岡山河川事務所は、早ければ7日夜から堤防の決壊した部分に大きな石などを積んで応急的な復旧を進めるとともに、およそ30台のポンプを使って地域にたまった水を川にくみ出すことにしています。