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金融庁の漏出問題、早期処分方針 麻生氏「厳正に対応」
沢伸也、角拓哉、長谷文
2018年7月28日1時38分

 野田聖子総務相の事務所による金融庁への説明要求に関し、朝日新聞が情報公開請求した内容を同庁が野田氏側に漏らしていた問題で、麻生太郎金融担当相は27日の閣議後会見で、「不適切だというのははっきりしている」とし、早期に関係者を処分する方針を明らかにした。

 金融庁による情報漏出が明らかになってから、麻生氏が説明するのは初めて。麻生氏自身が情報漏出を知っていたかについては、「詳細な内容まであがっていない」と述べた。
 金融庁によると、今後、処分を検討するために、情報漏出を「誰が知っていたのか」「誰が指示していたのか」などについて、職員に聞き取りするなどして調査するという。麻生氏は会見で「事実関係を詳細に確認し、厳正に対応しなければいけないと思っている」と述べた。
 一方、伝え聞いた内容を第三者に漏らしていた野田氏は同日の閣議後会見で、自身の責任について「しかるべき措置を検討している」と話した。具体的な責任の取り方については「様々あると思う」とだけ述べた。

 総務省として各省庁に対し、防止策を呼びかけることも明かした。内閣府で近く、各省庁の文書管理や情報公開の責任者会合があり、その場で「請求者に関する情報を外部に伝えることがないよう改めて周知徹底を行う」とした。

 NPO法人「情報公開クリアリングハウス」(三木由希子理事長)は同日、この問題に対して抗議する声明文を野田氏と麻生氏らに送った。金融庁から野田氏側への情報漏出について「『危機管理』と称して事前対策の機会を与えることは本来あってはならない事態。これは『危機管理』ではなく便宜供与だ」と批判している。
 朝日新聞は5月2日、金融庁に、野田氏の事務所が違法性を指摘されている会社の関係者を同席させ、同庁の担当者に説明をさせた際の面会記録の開示を求めた。金融庁は5月31日付で開示決定通知を出した。

 これに対し、金融庁の職員は開示決定前の5月23日に総務省に出向き、同省の大臣室職員に請求内容などが書かれた開示決定通知書などを手渡し、請求者が朝日新聞の記者だと口頭で伝えた。同日中に野田氏にも伝えられ、野田氏は同月下旬に複数メディアとの懇親会で、朝日新聞が自らの事務所をめぐって開示請求していることを漏らした。(沢伸也、角拓哉、長谷文)