発車ベルやめます JR常磐線が来月から実験
2018年7月28日 夕刊

JR東日本は八月一日から、駅のホームにある発車ベルを押して流れるメロディーが
駆け込み乗車を助長している可能性があるとして、ベルを使わず、
車両に設置された車外向けのスピーカーでドアの開閉を知らせる実証実験を始める。
常磐線各駅停車の亀有(東京都葛飾区)−取手(茨城県取手市)間が実験対象で、
駆け込み乗車を減らす有効性が確認されれば、拡大していく考えだ。

駆け込み乗車への対応で列車が遅れるケースは日常的で、死亡事故も発生。
同社は、大音量のメロディーがホームから離れた改札口付近でも聞こえてしまうことが、
駆け込みを誘発しているとみて実験を決めた。
スピーカーからの音声が聞こえる範囲はホーム上にとどまるという。

ホームのベルを使わない方法が広がれば、蒲田駅(東京都大田区)の「蒲田行進曲」や
高田馬場駅(新宿区)の「鉄腕アトム」など、一般的なメロディーの代わりに使われている
「ご当地メロディー」が消える可能性もあるが、JR東は「検討段階で決まっていない」としている。

JR東によると、実験では、乗務員室の「乗降案内スイッチ」を操作して、
ホームに向け発車を知らせる音と「扉が閉まります。駆け込み乗車はおやめください」との自動音声を流す。
従来は、乗務員がホームに降り、ベルを押していた。

常磐線各駅停車に乗り入れる東京メトロや小田急電鉄の車両も、同様の取り組みをする。

東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201807/CK2018072802000248.html
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201807/images/PK2018072802100179_size0.jpg