振り袖の販売やレンタルを手掛ける「はれのひ」(破産)の融資金詐取事件で、決算を粉飾し銀行から金をだまし取ったとして詐欺罪に問われた同社元社長篠崎洋一郎被告(56)の初公判が5日、横浜地裁(渡辺英敬裁判長)であり、同被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。

 起訴状などによると、篠崎被告は、同社の2015年9月期決算報告書で、実際は赤字なのに営業利益が出たなどと偽って経営が良好であるように装い、16年8月、横浜銀行、東日本銀行にそれぞれ融資を申請。同9月、両行から計約6500万円を振り込ませ、詐取したとされる。

 破産管財人によると、はれのひは14年から急激な新規出店を続け、銀行からの借り入れが増大した。16年9月期決算で営業損失を出して業績悪化が表面化。17年11月には従業員が大量退職し、事業継続は困難な状態だった。

 同社は、今年1月8日の成人の日直前に突然、横浜市などの店舗を閉鎖。成人式に振り袖を着られない新成人が続出した。篠崎被告は破産手続きを申請した後、海外へ渡航。6月に米国から成田空港に帰国したところを神奈川県警に逮捕された。破産手続きは、債権者への弁済に必要な財産の不足を理由に廃止された。 

10/5(金) 10:21
時事通信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181005-00000035-jij-soci