コシヒカリ超えた「富富富」…生産量倍増計画も
2018年11月02日 22時31分
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20181102-OYT1T50021.html

 富山県は、今年10月に本格販売が始まったブランド米「富富富」の来年の生産者を5日から募集する。今年の新米は1等米比率が99・1%とコシヒカリなどを上回ったほか、売れ行きも順調で、県はそれらを追い風に生産者向けの説明会に力を入れる。石井知事は来年の生産量を5000トンに倍増させることを目指している。

 1日に富山市内で開かれた「『富富富』戦略推進会議」で、県は、今年は518ヘクタールで栽培され、約2600トン収穫されたと報告した。当初は1000ヘクタールでの生産を目指していたが、新品種の生産や販売に対する不安などで希望する農家が伸び悩んだ。石井知事は「来年は5000トンの生産量、1000ヘクタールの作付けを目指してほしい」と強調した。
 このほか、農林水産省が発表した2018年産米の9月末時点の調査で、富富富の1等米の比率が99・1%となり、県内で生産したコシヒカリ(89・5%)を大きく上回ったことも報告された。
 富富富を生産するにはJAに申請書を提出した上で、田植えの時期や農薬の散布方法を定めたマニュアルに沿って作業する必要があるが、生産者からの指摘も踏まえ、マニュアルを見直したことも明らかにされた。例えば「5月15日を中心」としていた田植えの時期については、地域や天候によって苗の状態が異なることから、来年のマニュアルでは、5月10〜20日頃と幅を持たせた。
 県農林水産企画課によると、県内での富富富の販売は好調で、担当者は「品質の高さが示されたので、消費者の購買意欲が高まることを期待している。来年以降の生産拡大に向けて取り組んでいきたい」としている。
 県は11月中に県内4地域で生産者向けの説明会を開き、富富富を栽培するメリットなどをアピールする。