「お茶離れ」に立ち向かう静岡の挑戦

 全国屈指のお茶所として知られる静岡。しかし近年、若者を中心にお茶の
消費量が落ち、産出額が伸び悩む「お茶離れ」に直面している。名産地としての
プライドをかけて、静岡市は民間と協力し、お茶を利用して観光客の呼び込みに
つなげようとアピールに力を入れている。

 お茶は静岡市の基幹産業だ。同市の調査によると、2015年時点で
農業産出額は野菜や果物に次いで3番目に多く、約16%を占めていた。
しかし、06年時点では約82億円だった産出額は、15年には3分の1の
約27億円にまで落ち込んだ。総務省の家計調査でも、全国的にお茶の消費量は
減少傾向にある。

 背景にあるのは生産者の高齢化と後継者不足、そして消費者の
生活スタイルの変化だ。

 静岡市の茶畑は山の斜面に広がっているため、作業の大幅な機械化は難しく、
生産者が高齢になると体力的に続かなくなる。若い世代の担い手は不足しており、
生産を諦めてしまう農家も少なくない。また、かつては家庭でお茶を急須で
入れて飲むのが当たり前だったが、日本の食卓の洋食化が進んだことで、
お茶の出番は減った。ティータイムにもコーヒーや紅茶が選ばれるように
なっている。

 現在、お茶はペットボトルで安価に手に入る。しかし、静岡市によると、
ペットボトルのお茶は価格を下げるために安い茶葉を使用するため、
生産者の利益は少ない。「機械化できず、人件費がかかるのに、この実入りでは
続けていけない」と農家は悲鳴を上げている。

 静岡市はこれまでも小学校でお茶の入れ方を指導したり、農家で茶摘み体験が
できる「お茶ツーリズム」を企画したり、消費拡大策や生産者支援に取り組んできた。
しかしお茶離れになかなか歯止めがかからないのが現状だ。そこで、昨年から
公益財団法人するが企画観光局や地元企業と協力して「お茶を楽しめる場所」
としてのブランディング施策を推進。生産地ならではのお茶を通した「体験」
を提供し、県外や国外からの観光客の呼び込みを狙っている。

(以下ソース元でご確認を)


47NEWS(1/21(月) 15:27配信)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190121-00000002-yonnana-soci