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タイ暫定政権 3月24日総選挙実施と発表
2019年1月23日 22時32分

タイで、5年前のクーデター以降続く軍主導の暫定政権は、23日、民政復帰に向けた総選挙をことし3月24日に行うと発表しました。タイで総選挙が行われるのは8年ぶりで、軍が影響力維持を図る中、どこまで民主的な政治を取り戻せるかが焦点です。


タイでは、5年前、反政府デモが過激化する中、軍が「混乱を治める」としてクーデターを起こし、当時陸軍司令官だったプラユット氏が現在も暫定政権を率いています。

暫定政権は、クーデター直後からすみやかに総選挙を行う方針を示しながら先延ばしにしてきたため、国内外から民政への復帰を求める声が強まっています。

こうした中、国王が23日、総選挙実施を命じる勅令を出したことを受けて、選挙管理委員会は、総選挙をことし3月24日に行うと発表しました。タイで総選挙が行われるのは8年ぶりです。

ただ、暫定政権は、軍の影響力を残そうと、すでに憲法を改正し、上院では今後5年間選挙は行われず、軍が事実上議員を指名します。

さらに軍は、現役閣僚が党首を務める新たな政党をすでに設立し、選挙が行われる下院でも議席を獲得して、プラユット暫定首相の続投を実現させようとしているとみられます。

これに対し、5年前のクーデターによって政権を倒されたタクシン派と呼ばれる、タクシン元首相が影響力を維持する政党などが、下院で第1党となることを目指していて、選挙を通じてどこまで民主的な政治を取り戻せるかが焦点です。