世界のデジタル化が急速に進むなか、日本は就労世代や教育分野の対応が他の先進国に比べて出遅れている――。経済協力開発機構(OECD)が9日公表した報告書「スキル・アウトルック2019」では、そんな厳しい実態が浮き彫りになった。報告書は個々人がデジタル化に対応できているかどうかによって「格差が深刻になる恐れがある」と警鐘を鳴らす。急速なデジタル化の波から日本が取り残されないためには、最新のITスキルを身につけるための生涯学習など環境整備が欠かせない。OECD報告書が紹介したデータをもとに、主要国と日本の状況を比べてみた。


◆就労者の技能訓練、米やNZに見劣り

日本はオンライン講座などで技能向上に取り組んでいる人の比率(36.6%)がOECD平均(42%)を下回る。急速に進むデジタル化に対応するには、就労後も生涯学習・技能訓練を通じてIT技能を磨く必要があり、従来の教育制度の見直しが欠かせないとOECDは呼び掛ける。


◆職場のデジタル化でも遅れ

日本は職場のデジタル化の遅れも目立つ。メールや表の作成、プログラムなどを職場でどれだけ使うかを指数化したランキングも日本は主要先進国を下回る。


◆教員のIT訓練も不十分

日本は教育現場の課題も多い。IT訓練が必要な教員の割合は約80%で、OECD平均を大きく上回った。日本はタブレット端末などIT機器を授業で利用する割合も低かった。


◆デジタル化対応の「潜在力」は大きい

OECDは日本がデジタル化に対応できる「大きな潜在力」があるとも指摘した。理由となったのが平均的な教育水準の高さだ。デジタル技能が低い高齢層の比率はOECD加盟国の中でも最も低いグループに入った。

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