https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20190603/0016160.html

交通違反起訴無効取り消し有罪へ
06月03日 17時57分

信号無視を認めず起訴された男性の裁判で、パトカーの車載カメラの映像で違反を確認させなかった現場の警察官の対応が不誠実だとして起訴そのものを無効とした2審の判決を最高裁判所が取り消し、男性の罰金刑が確定することになりました。

大阪・枚方市の63歳の男性は、平成27年に枚方市の国道で警察官から赤信号を無視したと指摘された際、パトカーの車載カメラの映像を確認したいと求めましたが、「そんなものはない」と拒まれました。
男性は違反を認めず、反則切符を受け取らなかったとして逮捕され、道路交通法違反の罪で起訴されました。
男性の裁判で、2審の大阪高等裁判所は、警察官の対応は極めて不誠実だとして起訴そのものを無効とする判決を言い渡しました。
この裁判で、最高裁判所第1小法廷の木澤克之裁判長は3日の判決で、「赤信号を無視した事実を否認して反則切符の受け取りを拒否したのだから、刑事処分の対象に当たることは明らかだ」と指摘して2審の判決を取り消し、罰金9000円の有罪判決が確定することになりました。
判決の中で検事出身の裁判官は補足意見で、「反則切符の制度では、警察官は交通違反をした人の要求で証拠を示すことは求められていない」と指摘しました。