27日の「土用の丑(うし)の日」を前にウナギが今年も高根の花だ。今期のウナギ稚魚の漁獲は過去最低で、成魚の仕入れ値は10年前の2倍超。さらに道内は養殖地からの輸送費がかさみ、コメなどの食材価格も上がっている。これら「三重苦」が響き、札幌では2年連続で値上げに踏み切るうなぎ専門店もある。一方、スーパーやコンビニ店は手軽に丑の日気分を味わってもらおうと、サンマなどの代用かば焼き商品の販売に力を入れる。

「仕入れ値が上がって利益がほとんど出ない」。札幌市中央区の専門店「うなぎ二葉本店」の松野吉晃社長(48)は、炭火でウナギを焼きながら、こう嘆く。

 同店は昨年3月にうな丼やうな重を100〜200円値上げし、今年7月にはさらに100〜200円上げた。ウナギ1匹分を使ううな重「松」は10年前は3千円ほどだったが、今は7割増しの5200円。それでも仕入れ値の上昇分をカバーできていないという。

 ウナギ稚魚の資源量は回復の兆しが見えない。水産庁によると、2019年の漁期(昨年11月〜今年5月)の国内漁獲量は3・7トンで6年ぶりに過去最低を更新。同庁は「資源が回復するかは予測がつかない」と危機感を募らせる。

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2019年7月27日 土曜日 北海道新聞
https://www.hokkaido-np.co.jp/sp/article/328804