茨城県古河市は21日、水道管の接続を誤り、市内の1世帯6人に約2年4か月にわたり工業用水を給水していたと発表した。

 工業用水には水道水のように滅菌のための塩素が入っておらず、市は今年8月に誤接続を確認した後、健康診断を受けてもらうなどして健康被害を調査している。

 市水道課によると、市の指定業者から2016年10月に水道管接続の照会があった際、同課の担当者が工業用水管を上水道管と誤って回答。これに基づいて業者が工事を行ったため誤接続が起きた。

 この世帯では17年5月から水道使用を開始。今年7月16日、世帯主から水の濁りについて問い合わせがあり、同課の担当者が現場で残留塩素をチェックしたものの、検査試料の色の変化を見落とした。さらに原因を調べていたところ、8月20日にこの住宅に接する道路に工業用水管が埋設されていることが分かり、同26日に誤接続を確認した。

 針谷力市長は同日、この世帯を直接訪問して謝罪した。市はこの間の水道料金を返還するとともに補償について交渉中という。針谷市長は報道陣に「2回のミスを重ねたことをたいへん重く受け止めている。配管工事後の残留塩素の確認を確実に行うなど、再発防止を徹底する」と語った。

2019年11月22日 14時12分
読売新聞オンライン
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