中東情勢の先行きへの警戒感から原油相場は急上昇した。国際指標の北海ブレント原油先物は3日、一時1バレル69ドル台と前日比4%上昇し、心理的節目の70ドルに迫った。2019年9月以来の高値をつけた。米軍がイラクの首都バグダッドでイラン革命防衛隊の精鋭組織の司令官を殺害したことで、産油国が集中する中東の緊張が一挙に高まるとの見方が広がった。

イランは米国への報復を警告しており、原油の安定供給に不安が出ている。ニューヨーク市場のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物も一時1バレル63ドル台に上昇した。

外国為替市場では、ドルを売って、円を買うリスク回避の動きが強まった。円相場は一時、1ドル=108円近辺まで上昇し、2か月ぶりの円高水準となった。

日本経済新聞 2020年1月3日 16:05
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54022380T00C20A1MM8000/