【悩み】複数の部下から「よく思われていない役職者」がいます。この役職者と部下との関係性を改善させるアドバイスをいただければと思います。

 「8割の上司は『部下の悩み』を知らない」と言います。

 これは、お互いの立場を逆にしても当てはまります。「上司の悩み」を知っている部下もまた、ほとんどいません。あなたはどうでしょうか?

 お互いの悩みを知らないのに、部下が上司の悪口を言ったり、上司が部下の悪口を言ったりしているのでは、あがる成果もあがりません。

● 部下に対するアプローチ

 まずは部下に対するアプローチから。仕事の悩みを語り合う場をつくり、その中で「上司の悩み」について触れることをお勧めします。

 「たしかに、あの人に対して、気にくわない部分があるかもしれない。でもさ、会社員として、自分たちはあの人をサポートしなければいけない立場にある。あの人は日々、何を考え、何に悩んで働いているんだろう。ちょっと想像してみようよ」と促すのです。

 想像ながらも、さまざまな声が出てくるはずです。「好き嫌い関係なく、部下を育てなければいけない」「チーム全体の業績を背負いつつ、自分のノルマも達成しなければならない」など、粗いながらも的を射た意見も出てくるでしょう。

 「そうなんだよ。あの上司もいろいろ大変なんだよ。ならば、できる範囲で助けてやろうぜ」

 今までまったく関心を持っていなかった「嫌な上司」に少しでも思いを馳せ、「どんな悩みがあるんだろう」と考えることで、わずかながらでも「仲間意識」が高まり、見方も変わるはずです。「ゼロ」が「1」になるのですから、大きな進歩です。

 続いて、上司に問題がある場合を見ていきましょう。
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● 上司に対するアプローチ

 リーダーから見て「よく思われていない原因は上司自身にもあるよな」と感じるようなら、上司に対してもアプローチをする価値はあります。

 ある住宅販売会社では、課長以下、現場の営業マンは、部長に対していい感情を抱いていませんでした。「現場を知らないくせに、横柄だ」。現場の営業マンがみな一様に口にしていた部長評です。

 ひとりの課長が、この関係を改善しようと立ち上がりました。課長同士のディスカッションの輪に、部長を入れたのです。

 「現場のことを知らないくせに」という不満がまん延しているのならば、現場のことを知ってもらえばいい。よく考えたら、単純なことでした。

 加えて、現場の営業マンが使っている進捗共有シートに、「部長のフィードバックコメント」欄を設けました。全員が共有するシートのため、部長が各々にどのようなフィードバックをしているかも全員がわかります。業界経験の長い「部長ならではの視点」も、現場の営業マンには役に立ちます。

 さらに課長たちは、その進捗共有シートを、部長のさらに上席である役員に定期的に提出するようにしました。部長が現場にどう関わっているかをガラス張りにしたのです。

 このアプローチで、部長の部下に対する関わりも、部下の部長に対する関わりも、少しずつ変わっていきました。

 関係がよくないからこそ「あえて思いを馳せる」「あえて巻き込む」。すると必ず改善していきます。

全文はソース元で
1/19(日) 6:01配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200119-00226180-diamond-bus_all&;p=2