全米で最も環境に優しい動物園と自称するオハイオ州のシンシナティ動物園では、廃棄物ゼロを目指したプロジェクトの一環として、全ての動物廃棄物、つまり動物の排泄物を堆肥化する取り組みを計画中だ。

 2022年に本格的に稼働予定のこのプロジェクトには、毎日大量のうんちっちを出すカバや象たちが貢献してくれることが大いに期待されているという。彼らの排泄物は良質な堆肥として、販売されることになるのだ。

カバのうんちが肥料として購入可に

 2017年にシンシナティ動物園で生まれたカバのフィオナは、今や同園のアイコン的存在となっており、訪問者にとても人気だ。

 予定より2か月も早く生まれたフィオナは、出生時の体重がわずか3.2kgしかなかったが、すくすく育ったフィオナは今は健康でとってもハッピーだ。そして、体重も544kgになった。

 そのサイズに比例して、フィオナは1日およそ10kgのうんちをするという。カバよりも大きい象は、毎日約136kgの排泄物を出す。

 通常、これら動物たちの大量の糞はまとめて埋め立て地に運ばれるが、シンシナティ動物園では、新しい廃棄物ゼロイニシアチブの一環として、全ての動物のうんちを堆肥化するリサイクルプロジェクトを準備中だ。

 無駄に捨てたり埋めたりする代わりに、うんちを園内の農場や庭園に撒き、肥料として使うのだ。

 肥料になるうんちは、フィオナを含む動物園にいる何百もの動物たちから回収される。更に回収されたうんちは良質な肥料として販売される。

 アメリカ国内で最も環境に優しい動物園と自称するだけあって、取り組む姿勢も熱心だ。

毎年出る907トンのうんちを再利用していく予定

 シンシナティ動物園は、年間およそ907トンもの動物の糞便を再利用する計画をしている。

 また、全ての動物のうんちを堆肥にリサイクルするだけでなく、動物の生息地をリサイクルされた雨水で満たし、独自の農場で動物のための食料を増やすことも目指している。

 しかし今の段階では、まだプロジェクトは準備途中だ。その間、園のサイトでは『More Home to Roam』キャンペーンに寄付をするという形での支援を呼びかけている。

 これらの寄付は、同園にいる動物たちの大きなプールを設置する費用となる他、ペンギンの洞窟、カンガルー生息地の充実した屋外エリア建設などのあらゆる資金となるそうだ。

 現在、園側はこの堆肥化プログラムを実行に移すために、必要な機器を手配している最中で、2020年には本格的に稼働させる計画をしている。

 人気動物がプリントされたマグカップやキーホルダーと一緒に、フィオナのうんち、もしくは他の動物のうんちが、近い将来動物園内のギフトショップやオンラインストアで購入できるようになる日も近いようだ。

動画:https://youtu.be/xIQaCnhqokU

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