東京都は4日、新型コロナウイルスの感染者を都内で新たに118人確認したと発表した。1日当たりの感染者が100人を超えたのは初めて。都内の累計感染者は891人に達した。小池百合子都知事はコメントを発表し、「命が関わっている。何とかこの感染拡大を抑えたい」と改めて外出自粛への協力を訴えた。

 一方、この日は都内を含め、全国で368人の感染が判明した。1日当たりの感染者としては過去最多。

 都の発表によると、この日陽性が判明した118人のうち、感染経路が特定できていない人は7割近い81人に上り、過去に例がない高い割合となった。慈恵医大病院(港区)の関係者6人も含まれているという。

 100人を超えたことについて、都幹部は「2週間前の3月20〜22日の3連休は花見シーズンにも重なり、気の緩みから外出した人の間で感染が広がった可能性もある」とみている。

 都はまた、60〜80歳代の男女5人が死亡したことも明らかにした。このうち3人は、集団感染が発生している永寿総合病院(台東区)の関係者だという。

 都によると、感染者を受け入れる病床は3日時点で750床を確保。さらに増床を続けているが、4日時点の入院が必要な患者は817人で、状況は逼迫ひっぱくしている。都は、軽症者などの入院時期をずらすなどして対応している。一般の医療機関にも協力を求めて病床の確保を進めており、6日には900床までめどが立っているという。

 軽症者をホテルに移送する計画についても都は準備を進めており、週明け以降、都内のホテル1棟を借り上げ、入院の必要がない軽症者らの移送を始める見通しだ。また、改正新型インフルエンザ対策特別措置法に基づく首相の緊急事態宣言が出る場合に備え、小池知事は近く、都幹部らとの緊急対策会議を開き、対応を協議する方針だ。

2020/04/05 11:09
https://www.yomiuri.co.jp/national/20200404-OYT1T50158/