新型コロナウイルスの感染拡大で、岐阜市若宮町のナイトクラブ「シャルム」で起きたクラスター(感染者集団)に関係する感染者が増え続けている。店内での感染者増に加え、同じビル内で別のフロアに入居する飲食店や、客の1人が勤める岐阜県瑞穂市の会社にも飛び火。県内で確認された感染者119人(13日現在)の3分の1を超す42人に達し、県や市の全容解明は難航している。

シャルムには従業員らが18人おり、うち14人の感染が判明している。客として特定できているのは15人。うち12人が陽性だった。乳児を含む従業員や客の家族4人にも感染が広がった。

関係者によると、店は女性スタッフが客と同席して接客するラウンジで、カウンター4席とテーブル席が6卓の「3密(密閉、密集、密接)」空間。席料は90分1万円で「料金も客層も高い有名店だった」という。感染した客のうち3人は岐阜大病院の精神科医(当時)、1人は金沢市の岡部病院の医師だった。岐阜大病院は全診療科の外来業務を19日まで中止。学内では「医師の自覚が足りない」との声も漏れる。

同じビルに入居する飲食店の客にも感染者が出た。県は感染を確認した5日には、シャルムとの関わりを見いだすことができなかった。後に感染がわかったシャルムの複数の従業員が3月、客としてこの店を訪れていたことが判明。シャルムを訪れたことのない他の来店客の男性4人とテーブルを囲んでいた。この4人も感染が確認され、県は13日にクラスター認定した。

「社員が1人、シャルムを使っていたことが分かった」。県庁であった13日夜の記者会見で、県幹部が声を落とした。瑞穂市の会社で8人の感染者が出たが、調査の結果、端緒はシャルムで、しかもそこから感染が拡大していると判明したからだ。県は14日の県対策会議で、8人とその家族1人の計9人をクラスター認定した。

シャルムは1日に初めて感染が確認され、同日から休業中だが、それまでに不特定多数の人が訪れている上、2週間たっても感染が感染を呼び、終息の気配がない。古田肇知事も「全貌がつかめない」と大きな危機感を示し、13日には岐阜市と対策合同本部を設置。対策に本腰を入れざるを得ない事態に直面している。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200414-00000086-mai-soci
4/14(火) 21:29配信