★「GWに感染拡大」で外出自粛は6月以降もダラダラと続くはずだ
日本のコロナ対策にある3つの死角
2020/04/24 18:00
https://president.jp/articles/-/34909

一部抜粋、全文はリンク先へ

■人の動きを制限しても、地方にコロナは広がってしまう

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■地方の宿泊施設ではキャンセル料が発生

1つ目の死角はキャンセル料です。大手航空会社や大手旅行会社の多くは、GWの旅行に関しては特例的にキャンセル料を取らないという対応をしています。
一方で、地方のホテルのように新型コロナで大打撃を受けている宿泊施設では、通常通りのキャンセル料を請求せざるを得ないところも多いようです。

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■旅行客7割減でも、700万人が日本列島を行き来する

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そのためホテルを予約した側からすれば「多額のキャンセル料がかかるのであれば、旅行に出かけたい」という気持ちが働くようになります。
国や自治体としてもキャンセルの強制や補償が難しい。おそらく例年と比べて6〜7割近く旅行客は減ると思います。
それでも一定規模の人数が予定通りGW中に、地方の観光地に移動することになるでしょう。

JTBの調べによると一昨年のGWの国内旅行人数は2375万人でした。
つまり旅行客が7割減ったとしても実数としては700万人以上が日本列島を行き来することになる。ここが1つ目のリスクです。

■地元の住民「連休中は近くに出かけてみよう」

2つ目の死角は、地方では外からやってくる旅行客以上に多くの地元の住民が観光地や名勝に出かけるという事実です。

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たとえば一昨年の北海道の観光客数は訪日外国人が312万人、東京や大阪など道外から607万人であるのに対して、
道内からは4601万人と圧倒的に地元の観光客のほうが多いことで知られています。

そうして人気の観光地で地元観光客の「密」が発生しているところに、首都圏や関西圏から無症状の感染者が旅行者や帰省客としてやってきて同じ場に居合わせることになる。
これまで相対的に感染者が少なかった地方の都道府県でこの悪いシナリオが重なった場合、地方での感染拡大は5月2日から6日までの5連休に起きることになります。

■6月3日まで緊急事態宣言は解除できない理由

そして3つ目の死角はその感染から発症までのタイムラグです。

私は政府の緊急事態宣言は5月6日には解除できないと見ています。
ロックダウンが先行しているニューヨーク市でも具体的に感染者数が目に見えて減るようになってから2週間、パリでは3週間は様子を見ると言っています。
日本の場合も5月6日に「あと2週間様子を見てみたい」と政府が判断するのではないでしょうか。

ではその2週間後の5月20日ごろはどうなっているか。厚労省によると新型コロナウイルスは感染から発症までの潜伏期間は1日から12.5日とされています。
つまり、GW後半に感染した人の発症タイミングと、政府が緊急事態宣言解除を検討する次のタイミングが一致してしまうのです。
そうなるとさらに2週間、6月3日まで緊急事態宣言は解除できない状況が続くことになります。

このようにGWには感染拡大のリスクが横たわっています。そのことを考えると、日本型の新型コロナ感染対策に決定的に欠けている視点は「強制力のなさ」だと言えそうです。

学校の休校、企業のテレワーク、国民全体への外出自粛要請などは2月後半からずっと続けてはいます。
しかし、感染拡大のピークが少しずつ後ろにずれているだけで、感染自体は止まっていません。社会全体への強制力が足らないことから効果は限定的です。

■経済的に生死にかかわる危機水準へ

外出自粛がダラダラと長引くと、経済への打撃が拡大します。収入が途絶えたフリーランスから、営業再開できない中小事業主まで、
日本は文字通り経済的に生死にかかわる危機水準へと向かっています。それがこのGWに拡大しそうです。

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