リニアの工事について県とJRのこう着状態を解消するために国土交通省が立ち上げた有識者会議が始まりました。

この中でJR東海の金子社長は静岡県から「実現困難な課題を課せられている」と述べました。

リニアをめぐっては大井川の水の問題などで県とJRの折り合いがつかないため静岡県内区間の工事は始まっていません。

初回となる27日夜の有識者会議はウェブ会議形式で開かれ、JR側がトンネル内に湧き出た水を川に戻すことや、中流・下流域では地下水に影響が出ないとする見方を改めて説明しました。

これに対し専門家からは水の量の算定方法に対する疑問や、データ不足を指摘する声があがりました。

沖大幹委員(東京大学 水文学・水資源工学)
「本日JR東海側の話は一方的に聞いたわけですが、どういう結果であれば(静岡県は)納得し信用するのかというところが、やはりわからないので、双方の立場の人がいた方が議論は建設的に進むのではないか」

一方オブザーバーとして参加した難波副知事は、会議の冒頭でJR東海の金子社長が述べた環境調査への意見を問題視しました。

JR東海・金子慎社長
「私どもは現実的に対処できることは精一杯取り組んでおります。しかし、実現が困難な課題を課され、それは成し遂げなければ工事に着手してはならないということでは、リニアは大変遠のくことを懸念するものであります」

「現実的な解決方法を期待する」と述べた金子社長。

このあいさつは県には知らされておらず、副知事は「理解できない」と話しました。

静岡・難波副知事
「自分たちはこれで十分だと思っているけれど静岡県から過剰なことを求められていると。被害者意識的な所が出ていて、これがある限りとても議論が進まないとはっきり思いました」

次回の有識者会議では論点の整理が行われます。

ソース/YAHOO!ニュース(テレビ静岡)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200428-00000003-sut-l22