新型コロナウイルスの感染拡大によって、生活の変化が強いられる中で、オンラインカウンセリングを受ける人が増えている。先行きの見通しが立てづらいことへの不安感や、在宅勤務による家族との関係性への悩み、外出自粛制限でストレス発散ができないといった相談が寄せられているという。

2014年からオンラインカウンセリングのサービスを提供している「cotree」(東京都中央区)では、感染が広まりだした3月に前月比で3割増と利用者が伸び始めた。4月もさらに2割増えた。桜本真理社長は「イベントに出かけたりして、これまでストレスをうまく発散できていたような人が、外出ができなくなったことで、心に悩みを抱えがちになっている」と話す。「子どもが落ち込んでいる」「夫が悩んでいるようだ」などと家族が相談を申し込むケースもあるという。緊急事態宣言の延長で、業績が悪化する企業が増えることも予想され「今後、さらに悩みを抱える人は増加する」とみている。

同社では、個別に支援者を募り、新型コロナウイルス関連で心に不調を感じている人向けに、無償のカウンセリングサービスを始めた。支援者が、医療関係者や子育て中の家族など、サービスを受ける対象の人を定める仕組みで、1万人を目標としている。

日本経済新聞 2020年5月9日 5:00
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58865430Y0A500C2000000/