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新型コロナウイルス感染拡大の影響で和歌山県海南市黒江地区の「黒江めった祭り」が中止となり、
出品予定だったメダカ約3000匹が支援者に引き取られることになった。

祭りの実行委が、中止により不足した飼育費などに充てるためインターネットで寄付を募り、
寄付者を対象に引き取り先を募集していた。6日、引き渡しが始まり、12日までにすべて引き取られるという。

「めった」は和歌山弁でメダカを意味し、祭りでは、メダカすくいや販売などがメインイベントになっている。
同地区では、昔から、住民が自宅の軒先でメダカを飼う風習があったといい、2017年から、
地元有志による実行委が、紀州漆器伝統産業会館「うるわし館」などで祭りを開催。
出品用のメダカは、毎年、実行委メンバーが1年かけて育ててきた。

ところが、5月31日に予定していた祭りが新型コロナの影響で中止に。卵から育ててきたメダカ約3000匹が行き場を失った。
これまでの飼育費や来年の開催費には、祭りの売り上げを充てる予定だったが、それも見込めなくなった。

そこで、実行委は、20万円を目標にインターネットで寄付を募るクラウドファンディング(CF)を5月8日から開始。
希望者には寄付額に応じて、様々な種類のメダカを渡すことにしたところ、6月4日には、目標を上回る200人から
55万8400円が集まった。

6日、引き渡しを行った市内の漆器店には昼過ぎまでに40組近くが訪れ、実行委のメンバーが
「ありがとうございます」と頭を下げてメダカを手渡した。

約2000円を寄付した紀美野町の喫茶店経営の女性(65)は「祭りにはすごくパワーをもらっているので、
運営は大変だろうけど今後も続けてほしい。メダカは大切に育てます」と笑顔。実行委の広報担当・瀬戸山江理さん(44)は
「祭りを楽しみにしてくれている人がこんなにたくさんいたことに驚いた。来年こそは開催し、地元を盛り上げたい」と張り切っていた。


実行委メンバー(左)からメダカを受け取る女性(和歌山県海南市で)
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