IHIのグループ会社で群馬県富岡市に開発拠点を置くIHIエアロスペース(東京都江東区、牧野隆社長)は12日、衛星打ち上げを通じた宇宙輸送サービスを展開し、世界規模で需要拡大が見込まれる小型衛星の打ち上げ市場へ参入すると発表した。宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で新たに開発する「イプシロンSロケット」を活用した事業で、初号機を2023年に打ち上げる。

◎商業衛星の打ち上げを受注へ
 初号機で打ち上げるのは、ベトナムの地球観測衛星「ロータスサット・ワン」。イプシロンシリーズのロケットはこれまで4機を打ち上げてきたが、海外の衛星打ち上げを受託するのは初めて。同衛星は、レーダーで地表を観測し、自然災害の監視などに使う。NECが約200億円で開発や製造を受注している。

 11日にJAXAと基本協定を締結し、同社の主要工場、富岡事業所(富岡市藤木)での開発が本格的に始動した。締結に当たり牧野社長は、輸送サービスの世界展開に向けて「商業衛星の打ち上げを受注し、自立的かつ持続可能な事業へ育てていく」とコメントした。

 イプシロンSは、民間企業である同社へ運用が移管される。JAXAの山川宏理事長は「民需を取り込んで打ち上げ機会を確保し、わが国の宇宙産業の規模拡大を目指せる」と期待を寄せた。

 近年、人工衛星の小型化や低コスト化を背景とした衛星活用ビジネスが世界的に拡大。イプシロンSは、国際競争力を高める目的で開発している。別に開発を進め、主に大型衛星を打ち上げるロケット「H3」との相乗効果でコスト減や信頼性向上を図る。

以下ソース

上毛新聞
https://www.jomo-news.co.jp/news/gunma/politics/219009
https://www.jomo-news.co.jp/file/article/9/219009/161421-attachment.jpg