2020/07/07 22:48
https://www.yomiuri.co.jp/national/20200707-OYT1T50204/

 停滞した梅雨前線の影響で、九州北部は7日、非常に激しい雨が降り続いた。国土交通省によると、7日正午現在、九州の全7県の9河川20か所で氾濫が発生。熊本と福岡県では新たに7人の死亡が発表され、4日からの豪雨の死者は、7日午後9時現在、計56人となった。熊本、鹿児島、大分県では12人が行方不明になっており、捜索活動が続いている。

 読売新聞のまとめでは、7日午後8時現在、福岡、長崎、大分、熊本、鹿児島県で計約121万人に避難指示が出された。九州の各県教育委員会によると、7日に休校した公立の小中高校、特別支援学校は1300校以上に上った。

 熊本県警によると、7日朝、同県山鹿市で、消防団員の男性から「車が浸水し、中に人がいるようだ」と通報があった。浸水した車から高齢の男女2人が救助されたが、死亡が確認された。同県も人吉市や八代市で新たに3人の死亡が確認されたと発表した。

 福岡県は7日、同県大牟田市の浸水した住宅で87歳の女性と84歳の男性がそれぞれ死亡したと発表。大分県日田市では女性が玖珠(くす)川に流されたとみられ、県警が捜索している。

 国交省によると、7日午前8時35分、筑後川上中流部で氾濫が発生し、日田市で流域の建物が浸水するなどの被害が出ている。日田市の天ヶ瀬温泉では、玖珠川が氾濫し、鉄橋「新天瀬橋」が流された。同県九重町のJR久大線の鉄橋「第二野上川橋りょう」の一部も流失した。

 気象庁の発表では、降り始めから7日午後3時までの雨量は、鹿児島県鹿屋市で877・5ミリ、宮崎県日南市で746ミリ、大分県日田市で656・5ミリ、福岡県大牟田市で519ミリを観測した。

 同庁は、福岡、佐賀、長崎の3県に出した「大雨特別警報」を、発表から約19時間後の7日午前11時40分に大雨警報に切り替えた。引き続き、河川の氾濫や土砂災害などへの警戒を呼びかけている。

 交通も乱れ、JR九州は、九州新幹線の熊本―鹿児島中央駅間を終日運休。特急を含む在来線も、長崎線や鹿児島線などの一部区間で運転を見合わせたり、減便したりした。西日本高速道路によると、九州自動車道や長崎道、大分道などの複数区間で通行止めとなった。