日本食の代表格である寿司は、嫌いな人がほぼ皆無という稀有なメニューだ。将来的に発展することはあっても衰退することは考えづらい。素材そのままを出す基本的なスタイルだけでなく、炙ったり、しっかり火を通したり、湯通ししたり、さらにはシャリや醤油の改良など含め、提供のスタイルにさまざまな工夫が加わってきょうまできた。今後も多様化していくだろう。

 ただ、この春からのコロナ禍では、さすがに寿司業界も影響を受けた。緊急事態宣言による営業自粛要請で4〜5月は非常に厳しい状況に置かれた。私の店の得意先は銀座かいわいの名だたる高級店で占められるが、やはり休業措置は響いた。期間中にテークアウトを試みた寿司店もあったものの、形にはならなかった。

 緊急事態宣言が明けると客足は徐々に戻り、高級店らしくしっかりとした感染予防対策を講じたことで現在、私の店の得意先は以前と遜色ない水準に売り上げは戻っている。

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