東京メトロ東西線東陽町駅(東京都江東区東陽)で29日、視覚に障害がある男性が線路に転落し、電車にはねられ死亡した事故で、警視庁深川署は30日、男性の身元について江戸川区北葛西、マッサージ師の男性(68)と発表した。

 同署と東京メトロによると、駅構内の防犯カメラ画像には、白杖を持った男性がホームの端に向かって直進し立ち止まらず線路へ転落する様子が映っていた。反対側のホームに電車が到着しており、自身がいたホームに電車が来たと勘違いした可能性があるという。

 ホームには点字ブロックがあり、ホームドアも設置されていたが、稼働開始は来年2月の予定で事故当時は扉が開いたままだった。転落に気づいた人が非常停止ボタンを押し、男性を引き上げようとしたが、間に合わなかった。

 国土交通省によると、全国の駅でホームからの転落や隙間に挟まる事案などは近年、3千件前後で推移し令和元年度は2888件。視覚障害者のケースは64件発生した。同年度、ホームから転落して列車と接触するなどの人身事故は159件で、視覚障害者4人が死亡、1人が負傷した。相次ぐ事故を受け、国はホームドア整備を推進している。

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