NTTドコモが3日、来年3月に導入する新しい料金プランを発表した。月2980円という割安さを打ち出し、シェア奪還へ本格的に乗り出す。これで大手3社が値下げを表明したことになり競争が激しくなる半面、利用者にとっては選択肢が増えそうだ。一方、競合他社は対抗策の検討を迫られ、ドコモの完全子会社化を軸にしたNTTグループ巨大化への反発も強まっている。

 「3番手と言われないように、(携帯大手の)トップに返り咲きたい」。1日に就任したドコモの井伊基之社長は、初舞台となる大がかりな記者発表会で力を込めた。

 この日発表した新プランは、メインブランドでの設定とはいえ、「ahamo(アハモ)」という固有名まで付ける力の入れようで、実質的には割安ブランドの位置づけだ。

 データ使用量20ギガバイト(GB)で税抜き月2980円。通話料を入れるとライバル2社が発表したプランよりも約1500円安い。若者を主な顧客と想定。乗り換えにかかる事務手数料も無料とし、ネットで手続きを完結できるようにする。井伊氏は料金設定について、「若者の客層が弱く、他社の方に取られている。他社よりも競争力のあるものを打ち出さないといけない」と述べた。

 さらにメインブランドの料金プランも見直し、月内に発表する。いまのプランは2種類で、月7GBまでデータ使用量に応じて4段階で料金が上がるプランと、30GBまでの定額プランだ。新プランはデータ使用量を細かく区切って課金し、多くの利用者にとって、より割安になるよう詰めの調整をしている。

 ドコモのシェア(契約者数ベース)は2000年代半ばまで5割超を誇っていた。しかし、KDDI(au)やソフトバンクの絶え間ない攻勢でじりじりと顧客を奪われ、首位ながら37%まで低下。収益では1位のKDDI、2位のソフトバンクに次ぐ最下位に落ち込んでいる。NTT(持ち株会社)から送り込まれた井伊氏には、業界の盟主としてのドコモの地位を取り戻すという至上命令が課せられる。

 ドコモが12月末にNTTの完全子会社となれば、これまで少数株主に流出していた配当金などの資金が手元に残る。まずは、それを原資に「攻めの値下げ」に出る。豊富な資金力を背景に、NTTと研究開発でも連携を深め、中長期的な競争力も高めたい考えだ。

■楽天など格安各社 逆風

 ドコモが大胆な値下げ攻勢に打って出たことで、ライバル他社は対抗策として値下げの検討を迫られる。

 KDDIとソフトバンクは10…残り:1528文字/全文:2548文字

2020年12月4日 7時00分
https://www.asahi.com/articles/ASND371JMND3ULFA02J.html?iref=comtop_7_04
https://www.asahicom.jp/articles/images/c_AS20201203002628_comm.jpg




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