自民党衆院議員だった吉川貴盛・元農林水産相(70)=北海道2区、議員辞職=が大臣在任中、鶏卵生産・販売大手「アキタフーズ」(広島県福山市)の前代表(87)から計500万円を受領した疑いがある事件で、前代表が東京地検特捜部の任意聴取に、大臣在任の前後にも計1300万円を渡したと供述していることがわかった。特捜部は出金記録や前代表のスケジュール帳を照合して授受の日付を特定し、総額は2015〜20年の14回で計1800万円になるとみている模様だ。

 特捜部はこのうち大臣在任中の500万円について、大臣の職務に絡む賄賂の疑いがあるとみて収賄容疑で立件する方向で検討。その他の授受は事件の背景事情として調べている。吉川氏関連の政治団体の政治資金収支報告書(20年分は未公開)には、政治資金規正法が義務づけている収入の記載はいずれもない。

 吉川氏は安倍内閣で18年10月〜19年9月に農水相を務めた。関係者によると、この間に3回で計500万円を前代表から大臣室とホテルで受領したとされる。

 現金授受はさらに15〜18年の大臣就任前に9回計1100万円、19〜20年の退任後にも2回計200万円あった疑いが新たに判明した。いずれも前代表が吉川氏本人に議員会館の事務所などで渡し、領収書は受け取っていないという。吉川氏の事務所から31日夕までに取材への回答はなかった。

 特捜部は、大臣就任前の現金の…(以下有料版で、残り478文字)

朝日新聞 2021/1/1 5:00
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