英国で発見された新型コロナウイルスの変異株は世界中で懸念を引き起こしたが、この変異株がワクチンへの耐性を強める新たな変異を遂げた様子だ。

  英イングランドの保健当局は1日更新したリポートで、変異株の20万余りのゲノム配列についてデータを精査した結果、11の異なる部分から変異が確認されたと発表した。

  南アフリカ、ブラジルで感染を拡大させた変異株でも変異は見られ、ワクチンや抗体療法の効果を弱め、一度感染して回復した人を再び感染させやすくする作用があると考えられている。

  英レスター大学の臨床ウイルス学者、ジュリアン・タン氏は変異株の変異について、「憂慮すべき展開」だと指摘。「最近の研究で、メッセンジャーRNA(mRNA)技術を用いたワクチンは英国の変異ウイルスに対しても高い効果を発揮することが示されたが、もはやそうならない可能性もある」と述べた。

  タン氏によると、新たに確認された変異は単独で発生したものか、南アフリカまたはブラジルの変異株との結合を経て生まれたものかは判然としない。こうした結合はインフルエンザウイルスでは一般的だが、コロナウイルスでは明らかになっていないという。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-02-02/QNWSB5DWX2PT01