https://www.sankei.com/smp/politics/news/210210/plt2102100020-s1.html
「やるときはやる」立民、審議拒否を示唆 総務省接待問題に照準

立憲民主党は10日、菅義偉(すが・よしひで)首相の長男による総務省幹部の接待問題に照準を合わせ、追及を強めた。会食の回数や時期などを調査し、12日までに衆院予算委員会に報告するよう総務省に要求。回答がなかった場合、国会で審議拒否戦術に転じる構えも見せた。

 立民の今井雅人氏は10日の衆院予算委で、首相の長男の勤務先の子会社が実施する衛星放送事業の認定を総務省が更新する直前、同省幹部と長男が会食を繰り返していたと指摘した。総務省の秋本芳徳情報流通行政局長らは同時期に会食した事実を認めた。
その後の予算委理事会で、野党側筆頭理事を務める立民の辻元清美副代表が、政府・与党に会食に関する調査を求めた。記者団に「(通常なら)許認可の更新時期に総務省幹部が接待されに行くわけがない。首相の息子でなければ(接待を)できなかったのではないか」と述べた。

 政府・与党は16日の衆院本会議で地方税法などの改正案を審議入りさせ、3月末までに令和3年度予算案を成立させる方針。安住淳国対委員長は10日、記者団に、接待の回数や時期などの回答がなかった場合は「来週以降の日程協議は順調にはいかない。国会運営全体に影響を及ぼすと思う」と述べ、日程闘争に持ち込む可能性を示唆した。

立民は今国会、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた事業者や生活困窮者への支援拡充といった政策提案を重視し、枝野幸男代表は1月20日の衆院代表質問や今月4日の衆院予算委での質問のテーマを新型コロナ対策に絞った。だが、野党内では与党ペースで進む国会運営への不満の声も出ている。

 安住氏は「われわれはやるときはやりますから」と強調。与党議員の「夜の銀座」問題や、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の女性蔑視ともとれる発言などが相次ぐ中、スキャンダル追及や日程闘争の姿勢を再び強めている。

2021.2.10 16:37
産経新聞