アメリカで1500万人近い人々がワクチンの2回目接種を受けていないことが、米疾病対策センター(CDC)の調べでわかった。
平たく言えば、10人に1人以上が、2回目をスルーしていることになるという。

ファイザーのワクチンは1回目の接種から3週間後に、モデルナのワクチンは4週間後に2回目を接種することが推奨されている。
これより多少遅れても効果に大差はないとされているが、米紙「ワシントン・ポスト」によれば、1回目の接種から6週間以上が経過した場合は、2回目を逃したと見なされる。

CDCのデータでは、6月16日時点で、11%近くの人がこの期限を逃していた。
保健当局者らによれば、人々が2回目を接種しなかった理由はさまざまであるとしつつ、主に次の3点を挙げている。

・1回目の接種だけで充分な免疫ができるという誤った思い込み
・2回目接種後の副反応を回避したいため
・単に2回目の接種を忘れてしまい、再予約ができなかった、あるいはしなかった

また、ジョージワシントン大学のデビッド・ブロニアトウスキー准教授は、すでにコロナに感染したことのある人々のなかには1回目だけで充分だと勘違いしている人たちがいると、
ワシントン・ポストに語っている。

ブロニアトウスキーによれば、ワクチン接種が本格的に始まる前に、公衆衛生当局が1回の接種だけで充分な可能性について議論していたことも、
人々の誤解を招いたかもしれないという。

そのような話し合いや言及があったというだけで、人々は「2回目は必要ないだろうと正当化してしまいますから。とくに副反応などの懸念がある場合は」。

副反応が心配だったにせよ、ただ忙しくて忘れたにせよ、感染力の高いデルタ株が勢いを増すなか、専門家たちは2回接種の徹底が不可欠だと警鐘を鳴らしている。


日本でも先日、丸川珠代五輪担当相が、東京五輪ボランティアの2回目接種が開幕に間に合わないことを記者から指摘された際、
1回目で「一次的な免疫をつけていただく」と発言。

「一次的な免疫」が科学的に何を意味するのか定かではないのはもとより、「1回目だけで効果あるんだ」と誤解する人々が出てこなければいいが。
https://courrier.jp/news/archives/251961/