殺害当日の2020年6月23日。山田さんは朝から車に乗り、コンビニのアルバイトに向かった。堀被告は山田さんの自宅近辺で山田さんが家に戻ってくるのを待ち伏せしていた。
13時に勤務を終え、車で自宅に戻った山田さんが運転席ドアを開けるやいなや、堀被告は手にした包丁で山田さんに襲いかかる。

車内でもみ合いになる中、山田さんは一旦は包丁を奪い取り、車から逃げ出し、近所の家の戸を叩いて助けを求めたが、その間に被告に捕まり、包丁を奪い返される。

段ボールで練習していたように被告は山田さんの腹部、背部、頸部を何度も突き刺し、殺害した。凶器に使った包丁は鶏肉解体用の業務用のものだった。

「女性には致命傷となる傷が多数あり、いくら救命が早くても出血多量による死は絶対的に免れない状況だった。傷は柔らかい部位に集中しており、急所を狙って刺したことは明白。
これだけ急所を多く刺しているということは、その最中に女性は意識を喪失したことが推定され、完全に事切れるまで刺し続け、事切れたのを確認して行為を止めたと推定される」

山田さんの遺体には、49箇所もの傷が確認された。残忍な犯行が証拠で明らかになるたび、法廷は静まり返った。
また嗚咽のような声や、鼻をすする音がひびくこともあったが、被告は大型モニターに映る証拠をしっかりと見つめ、終始無表情で落ち着いていた。

事件がなければ昨年9月には20歳になるはずだった山田さんは、中学の頃、20歳の自分に向けて手紙を書いていた。事件後、当時の担任が山田さんの母親にこれを持ってきたという。

「今楽しいですか。20歳の私には悩み事はありますか。私は小さなことで落ち込みます。LINEで変なこと送っちゃったなとか。成人式も楽しみです」(山田さんが15歳の頃に書いた手紙より)


堀被告には無期懲役が求刑されており、判決は13日に言い渡される予定だ。


7/12(月) 13:02
https://news.yahoo.co.jp/articles/586e111535acf3ba07f51a00606b83c37ce57e35