【ニューヨーク=白岩ひおな】トヨタ自動車は25日、燃料電池車(FCV)の燃料電池モジュールの組み立てを米ケンタッキー州の工場で2023年から始めると発表した。水素燃料電池で走行し、二酸化炭素(CO2)を排出しない大型トラックへの搭載を予定している。FCVの基幹部品である燃料電池スタックなどは日本から調達する。

23年から、同州にあるトヨタ・モーター・マニュファクチャリング・ケンタッキー(TMMK)の専用ラインで、水素を動力源とする大型商用トラックに搭載する燃料電池モジュールの組み立てを始める。燃料電池モジュールは最大160kWの連続出力が可能だという。トヨタは燃料電池モジュールを大型トラックの多様な用途に適応させるための専門知識をトラックメーカーに提供する。

トヨタは20年10月、北米市場向けの大型の燃料電池トラックを日野自動車と共同開発すると発表した。日野が北米で販売する大型トラック「XLシリーズ」を基に、トヨタが開発する燃料電池を搭載するもので、24年までの量産化をめざしている。米国で電池モジュールの組み立てを手がけることで、北米市場で関心が高まっている排気量の大きい大型トラックの電動化に弾みを付ける。

日本経済新聞 2021年8月26日 3:19
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN25EGL0V20C21A8000000/